高垣楓「純情な恋する乙女なんて如何でしょうか?」
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55: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/10/30(月) 19:30:28.93 ID:squNLtVqO



 なかなか立ち上がろうとしない楓さんの手を引っ張り、店から出る。
 楓さんはケラケラと上機嫌だ。
 かなり酔ってるなぁ、転ばないといいけど。

「はい、タクシー来ましたから。最寄りを伝えて下さい」

 楓さんが家に入るのを見届ける為、俺も一緒に乗り込む。

「では、〇〇区の〇〇駅周辺で」

 タクシーの運転手に目的地を伝えた。
 早速走り出すタクシーの揺れは、良い感じに心地悪い。

「すみません、プロデューサー。タクシー代は私に払わせて下さい」

「気を使わなくて大丈夫ですよ」

「いえ、先ほどはお願いしちゃってたみたいですから……ダメですか?」

「それじゃ、お願いします」

 それにしても、と考える。
 先ほど楓さんが伝えた駅は俺の家の最寄りでもあった。
 案外、近い所に住んでいたんだな。
 なら最寄りまで戻ってから飲めばよかったか、なんて軽く後悔。

 そして……




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