19: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:04:05.56 ID:r5zFZECu0
「あの」
「はい、なんでしょう?」
彼女の、絹のようにすべらかな髪が揺れるさまを見つめる。
首元には大きなブローチが赤々と輝いている。
「僕で良ければ、寄付します」
気付けばそう言っていた。
僕の言葉を受けても、はじめ彼女はきょとんとした表情を浮かべるばかりで、言葉の意味を飲み込めていないようだった。
それから氷が融けてゆくように、彼女の表情が弛緩していく。
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