18: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 15:03:05.85 ID:r5zFZECu0
「寄付をお願いいたします」
修道服姿の彼女が僕に差し出してきた紙には、端整な字と、少しばかりの絵柄とがあった。
微かに触れた彼女の指先は、彫像のように冷えきっていた。
僕がそれを受け取ると、彼女は会釈をして、小さく微笑んだ。まだ手元には厚い紙の束があった。
渡された紙に、目を走らせる。
この寒空の下で、まだ彼女はこれを配り続けるのだろうか。
ふと、そんなことを考えた。
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