3:名無しNIPPER
2017/09/27(水) 20:37:29.27 ID:BWXMxi0o0
扉を開いた俺の前に居たのは、あのお団子頭の彼女――では、あった。
ただ、俺の思っていたものとは大きく異なった形ではあったが。
まず、頭身がいつもの彼女の半分くらいしかない。
彼女のアピールポイントであるその大きな双丘に関しては、全くと言っていいほど存在していない。雪ノ下何某さんが大きく見えるくらいの絶壁である。
しかし、それも当然と言えるだろう。
なぜなら、俺の目の前に現れた彼女は――由比ヶ浜結衣は――紛れもない幼女と化していたからである。
「……は?」
ギャグマンガの主人公でもあれば、ここで大きなリアクションを取って読者の笑いを誘うのだろうが、いざおいしい場面に遭遇した俺の口から出てきたのは、そんな間抜けな声だった。
俺はどうやらギャグマンガの主人公にはなれそうにもない。くりくりとした目でこちらを見つめる幼女を茫然と見つめながら、そんなどうでもいいことを考えていた。
「ひっきぃ、たってないでなかはいってよ。まじでやばいんだって!」
幼女ヶ浜幼女さんの小さな手が俺の手を取り、部室の中へと誘う。
「ゆいがはまさんがかわいいからといって、そのくさっためをぶしつけにむけないでくれるかしら、ろりこん谷くん」
奥の方の座席から聞こえてくる、その舌足らずな声は、間違いなく、この奉仕部部長であるところの、幼女ノ下幼女さんの声であった。
俺は混乱した頭が整理できないまま、由比ヶ浜の手に引かれて、ひとまず部室に足を踏み入れることと相成ったのであった。
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