1:名無しNIPPER
2017/09/27(水) 20:16:21.46 ID:BWXMxi0o0
思えばその日は朝から妙に好調だった。
小町が気まぐれで買ってきた緑茶を、これまた気まぐれで買ってきたワゴンセールの湯呑茶碗の中に注ぐと、三本くらい茶柱が立って逆に気持ち悪かった。
当たり付き自販機で飲み物を買うと、珍しく当たりが出た。俺の体感としては、これはだいたい100回に1回くらいの割合でしか当たらない気がする。
道行く女子高生のスカートが、いたずらな風に吹かれて、白の水玉のパンツがばっちり見えた。
戸塚が可愛かった。エトセトラ、エトセトラ。
そんなわけで、俺はいつもよりも上機嫌でボッチライフを送っていた。放課後、部活動の時間が訪れるまでは。
幸福と不幸とは常に背中合わせである。
禍福は糾える縄の如し。人間万事塞翁が馬。沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり。
上機嫌で部室の扉を開け放った俺は、そんな諺を意味もなく思い浮かべていた。
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2:名無しNIPPER
2017/09/27(水) 20:25:08.46 ID:BWXMxi0o0
「あらひきぎゃやくん、こんにちは。すこしきいてほしいはなしがあるのだけれど」
初めに聞いたのは、そんな舌足らずの声だった。活舌や声のトーンからして、だいたい幼稚園児くらいの子どもの声ではないかと推測する。
はて、俺は確かに奉仕部に通じる扉を開け放ったはずだったのだが。
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