4:名無しNIPPER
2017/09/27(水) 20:53:21.56 ID:BWXMxi0o0
「――で、なにこれ。ドッキリ?」
「そうであればどれほどよかったでしょうね……」
幼女ノ下さんの入れてくれた紅茶を啜り、ひとまず冷静さを取り戻した俺が初めに考えたのは、この状況そのものが質の悪いドッキリであるという可能性である。
常識的に考えてみてほしい。
今まで一緒に過ごしてきた同級生が、ある日突然幼女になってました、なんて状況が本当にあり得るだろうか。
それなんて名探偵コ〇ン、である。
生憎俺はリアリストなので、そんな非科学的な現象を鵜呑みにするつもりにはならない。と
とりあえず、目の前にいる二人の幼女の顔を交互に見る。
艶やかな黒い髪を腰まで伸ばし、悠然と雪ノ下が普段座っている席に腰かけている幼女。白磁のような肌といい、異様なほどに整った容姿といい、確かにかの雪ノ下雪乃に酷似している。
ピンクがかった茶髪のお団子頭で、雪ノ下似の幼女の隣に腰かけ、ちらちらとこちらを伺っている幼女。由比ヶ浜はもともと幼い顔立ちではあったものの、尚更幼く見える、というか幼い。確かにその子犬のような雰囲気は、かの由比ヶ浜結衣に酷似していると言わざるを得ない。
俺はもう一度紅茶を啜り、一つ大きなため息を吐いた。
「で、君たちは二人の親戚か何か? 二人はどの辺に隠れて『ドッキリ大成功!』の看板を掲げる機会を伺ってるんだ?」
「ぜんぜんしんじてない!?」
「そのにんげんふしんぶりはさすがといわざるをえないわね、ひきこもりくん」
おおー、リアクションまでそっくりとは手が込んでるなぁ。
案外あの二人には演技指導の才能があるのかもしれない。
658Res/445.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20