12:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 08:51:28.99 ID:SjBa6GBgO
♪〜♪〜♪
「あっ…」
鷺沢さんのポケットから電子音がなった。どうやら誰かから連絡が来たらしい。
「ごめんなさい、ありすちゃん。お話の途中でしたが、呼び出しを受けてしまいました…」
「いえ、大丈夫です。お話できて…よかったです。」
「私も、ありすちゃんととお話しできて楽しかったです。…ねぇ、ありすちゃん。」
鷺沢さんは立ち上がり、またわたしの瞳をじっと見つめる。
「誰かを特別に思うこと…それは善し悪しでは量れないと、私は思います。自分にとって大切な人がいる…それは素晴らしいことだと。」
「それは、どういう…」
わたしが上手く言えないでいると、鷺沢さんは微笑み、「それでは」と頭を下げて部屋から出ていってしまった。
「誰かを特別に思う…」
このときの私はまだ、鷺沢さんの言葉の意味を、真に理解することはできていなかったと思う。まだわたしは子どもだということなのかもしれない。
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