92: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/27(金) 18:43:43.13 ID:23i0x2er0
「あの〜、歌織さん」
「……もう。プロデューサーさん違います」
「えぇ!? まだダメなんスか? ……うー……お、お姉ちゃん」
「うん、なぁに?」
「この肩もみ、いつまで続けたらいいのかな?」
――さて、ここで聡明なる諸氏におかれてはこんな疑問を抱いたはずだ。
「お姉ちゃん? 貴様、なにをたわけたことを言っとるんだ!」と。
全く持ってその通り、不思議に思って当然だろう。だから、少しだけ説明させてほしい。
どうして俺が歌織さんのことを姉と呼び、彼女の肩を入念に揉みほぐすことになったかを。
きっかけは本当に些細なことさ。
事務所で彼女と雑談中、二人の年齢についての話になった。
「歌織さん二十三でしょう? はは、俺の方が一個年下だ」
「えっ」
「だから俺の方が一つ下。……二十二なんですよ、俺。ちょうど風花のヤツとタメなんです」
するとどうだ? たちまち彼女は驚いて。
「プロデューサーさん、私より年下だったんですか!?」
「そ、そんなに驚くことですかね」
「ビックリですよ! 私、同い年だと思ってましたから」
そこからアレコレ話が広がり気づけばなぜかこんな流れに。
「それじゃああの、折角なので一つだけお願いしても構いませんか?」
「ええ、そんなに改まらなくても……。借金の話じゃなかったら、俺は大抵のことは受けますよ」
「その言葉、ホントですね?」
「ホントです。なんてったって業界じゃ、"便利屋のPちゃん"で通ってますからね!」
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