70: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/10(火) 22:28:54.88 ID:HHwJzBVN0
飾ったススキを眺めたら、月を見上げてふちゃぎふちゃぎ。
「そう言えばこのお月見って、何をお祝いしてるのかな?」
ふと気になったことを口に出すと、貴音がすぐさまこう答えた。
「月見は秋の収穫祭。そもそも旧暦の八月九月十月と、三月(みつき)に渡り行う物。
……十五夜の『芋名月』を始まりとし、十月に見る『十日夜の月』をもってして、秋の収穫終わりを知るのだと」
「へぇ〜……。貴音ちゃんってば物知りだね!」
「夏から秋へ、秋から冬へ。月見で始まり月見で終わる。季節の移り替わる様を、月の満ち欠けに重ね見る――」
そうして月を仰ぎ見る、貴音の横顔は凄く神秘的。
……これでふちゃぎをもぐもぐしてなかったら、随分様になったのに。
でも、昔の人のそういう考え方は自分も好き――うまく言葉にできないけど、
自然の移り変わる様に自分たちの生活を重ねて生きるってことは――
沖縄で過ごしていた時に感じていた、
都会に出てからは忘れがちな"てろてろ"っとした時間の流れを思い出せるから。
……うーん、ロマンチックって言うのかな? 自分、こういうのを表現するのは苦手だから。
あんまり考え過ぎてると、頭が「うぎゃー!」ってなっちゃうし。
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