309: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/10/17(水) 23:07:59.84 ID:1q/u2qOm0
麗花が説明する通り、彼女の着ているスーツにはいわゆる肩紐がついていない。
ここで読者諸氏にも、バニーガールの衣装を想像してもらえばすぐ分かると思うことだけれど、
あれらは普通、肩回りと背中をざっくり露出させるのが一般的だ。
なぜって、その方がより魅力的に見えるからさ。
ただ、そうすると胸の辺りを固定する要素が無くなるから、
動いてるうちにズレ落ちるんじゃないかって見た目になっちゃうワケなんだな。
「何でも腰で止めてるそうですよ。美咲ちゃんが教えてくれました。こう、着るだけで背筋がピーンってなる感じの」
「ワイヤーか何か入ってるのかな?」
「ふふっ。気になるなら触って確かめてみます?」
言って、麗花はすぐさま俺の右手を取った。「お、おい!」なんて驚く暇を与えてくれない。
彼女は自分の細いウェストにそのまま右手を持ってくると。
「この辺ちょっと硬いですよね? そう、そこ……。これがずーっと上まで続いてて」
生地と生地の合わせ目に沿って、説明しながら何か硬い、
多分、骨のような役目を持った部品の感触を確かめさせるように手を誘う。
でも俺は馬鹿みたいに体を強張らせて、指先に当たる"なだらかさ"にどぎまぎしっぱなしだ。
そのうち、指は彼女のあばらの上を通り過ぎて。
「だから、これのお陰で動いてもズレないよう――プロデューサーさん?」
「あ、ああ。なんだ麗花!?」
「もう、今の説明聞いてました?」
「もちろん! かっ、考えて作られてるんだって感心してたトコさ」
ようやく自由になった右手を背中の後ろにサッと隠す。
彼女の見えないところではまだ、親指と人差し指がくっついては、
さっきまで確かに感じていた夢のような感触を反芻したりするのだった。
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