121: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/21(火) 12:39:52.07 ID:xpLIx66g0
「おっ、虎だ」
「さしずめリトルタイガーね♪」
「がるるるっ! あんまり舐めてちゃ噛みつくわよ!!」
そうしてこのみは自分の頭を撫で続ける莉緒の左手を鷲掴み――
「いい? 莉緒ちゃん、いいえ莉緒! その手を止めてまぁ聞きなさい」
「えっ、いいの? このみ姉さんがそんなに言うなら止めるけど――」
「……うぅん、ホントはもう少し撫でて欲しい」
「んもうやっぱり? 姉さん素直じゃないんだから〜♪」
なでなで続行を要求すると満足そうに喉を鳴らした。しばし訪れる卓の沈黙。
誰とはなしに酒を含み、グラスを置いたら喋りだす。
「でも、まっ、冗談はさておき本題はよ?」
「このみさん、その入り今ので六回目」
「……それより聞いてよ二人とも、私ってなんでモテないかなー」
「何言ってんだ贅沢者。ファンなら一杯いるじゃないか」
「んもう! 私が言ってるのはファンじゃなくて、パートナーの話よパートナー」
「だから莉緒ちゃん、そのワケを今から話してあげるって――」
「……この際このみさんで手を打てば?」
「その手があった! キミ冴えてるー♪」
「冴えてない! 私は断然ロマン派だぞー!!」
すると目の座ったプロデューサーは首をかしげ。
「ロマンス?」
「スランプ?」
「ぷ……ぷ……プリンセス!」
「そうだよなー。女の子はお姫様なんだよなー」
しみじみ呟く彼を指さし、このみが「それだそれ!」と怪しい笑顔を浮かべて言う。
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