100: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/05(日) 01:44:15.00 ID:8Kmh9Nmz0
「じゃあ丼物は? 親子丼とか美味しそうだよ〜」
そんな二人に、わたしは通りにある食堂のショーケースを指さしながら提案する。
これならボリュームもあるしヘルシーだし、代替案としても十分な――
「翼、親子丼なんて太るわよ」
「え゛っ」
「そうだぞ翼。親子丼はこう……並みだと物足りないよな。気分的に」
「間食にだって甘くなるの。お昼は親子丼だったから、お菓子の一つ二つは大丈夫よねっていう風に」
「……それって単に二人の意思が弱いだけじゃ――ううん、なんでもありませーん!」
わたしは慌てて言葉を飲み込むと、二人に首を振って見せた。
だってプロデューサーさんたちったら揃って笑顔になるんだもん。
……その反論させないスマイルの怖いこと怖いこと。
「でもそれじゃ、結局何を食べるんです? ……カレーとか?」
「カレーかぁ……昨日の昼に食べたからちょっと」
「それに温かい食べ物って感じもしないわね。どっちかと言うと辛い食べ物」
「だったらラーメン? これなら"ザ・冬の食べ物"って感じもするし」
「ラーメンもなぁ……昨日の晩に食べたから」
「惜しいけどありきたりじゃないかしら? もっと、体の芯から温まれるような一品を――」
でもそれじゃ、導き出される答えは自然と一つしか残らない。
……うぅ、でもでもこれは、正直食べ飽きちゃってるんだけどなぁ。
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