5:名無しNIPPER[saga saga]
2017/09/16(土) 19:23:31.41 ID:E5Im33K60
硝子のように澄んだ早朝の空気の中をミミちゃんと共に歩いて行く。すれ違る人も少しだけ居たが、ほとんどわたしたち二人だけの世界を、人気の無い道を歩く。昼には人で賑わうこの街が黙り込んでいた。なんだか夢の中のように現実味が無い。
今もなにか言葉を交わすことは無い。ミミちゃんも、この空間に声を吐き出すことを嫌っているのだろう。わたしたちの間にはそんなものは無くてもいい。隣にいればそれでいい。
どれだけの人間が、そんな関係を持つ人間を見つけることができるだろうか。いや、きっとありふれたもの、誰でも手に入れることができるものなのかもしれない。それでも、わたしはとても貴重なもののように感じていた。
そうか、ミミちゃんとわたしはそんな関係になれたのか。
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