7: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/13(水) 21:50:38.17 ID:dbtwVbjq0
「ま、その三ツ谷さんって人のおかげで、光の喜ぶ仕事が取れたわけだけど」
「ええ、そこは感謝してますよ。茨城のご当地ヒーローとは言え、ヒーローはヒーローです。
そのショーの特別ゲストとしてヒーローヴァーサスを推薦してくれたのは三ツ谷さんですからね」
「フン、アタシまで巻き込まれたんだから、いい迷惑よ」
今度はプロデューサーがニヤニヤした。
「何よ?」と片眉を吊り上げる麗奈の鞄には、光の誕生日を祝うお手製びっくり箱が入っていることを彼は知っていたし、この仕事が決まった後、特にこの一週間はいつもより機嫌がよかったことも、彼はお見通しだ。
光にとっても嬉しい仕事であることは間違いなかった。
なぜなら、地方の小さいショーではあるが、これがアイドル南条光のはじめてのヒーローショーの舞台であるからだ。
「で、この後はどうするのよ? まだ、ショーのゲストまで時間あるけど」
いまいましそうに麗奈は言いながら、テーブルの上に置かれた三角ポップを手に取る。
そこには大げさな書体で「サーカス来る!」と書かれている。
「そうですね。もう少し紹介映像用の素材を撮っておきたい気もします。
光が戻ってきたら、ショーの会場に向かいつつ、尺を稼ぎましょう」
「そうね。……それにしても、遅くない? アイツ」
「はい。まさかとは思いますが、光、迷ってないですよね……」
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