5: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/13(水) 21:48:52.64 ID:dbtwVbjq0
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「アーハハハハハハッ、傑作じゃない!?」
麗奈は腹をかかえた。
とあるショッピングモールのとあるレストラン。
そこに麗奈はいた。
そして、その向かいでは、プロデューサーが大笑いする麗奈の様子を苦笑いしながらながめている。
「だから、さっきまでのロケ、あんなにユルかったのね」
「はい。三ツ谷さんはいつもこの調子ですから」
光と同様、普段通りの服装とさほど変わらない麗奈の向かいに座るプロデューサーは、かけた眼鏡の位置を直しながら、麗奈の手からスマホを受け取った。
「今日の仕事の依頼主である三ツ谷さんは、高校の陸上部の先輩ですけど、
このノリは当時から変わりませんね」
彼は、芸能事務所『グラスリッパー・プロダクション』のパッション部門プロデューサーであり、光と麗奈の担当を任されている男である。
スクエアフレームの眼鏡と誰にでも敬語を崩さない口調のせいでお堅く見られるか、柔和な目つきと緩いカーブを描くクセっ毛のおかげで、優男に見られるか、どちらかなのだが、実はどちらもそうでもないことを麗奈はよく知っている。
「それにしても、マネージャーから現場ディレクター、AD、音声、カメラマン、全部アンタが兼任の現場なんて、研修生の頃以来ね。
懐かしくなっちゃったわ」
「その分、お二人が伸び伸びとロケをしていて、私も楽しかったですよ」
三ツ谷はプロデューサーが高校時代から懇意にしている先輩であり、業界の先輩でもある。
今は、茨城県の地方局で勝手気ままに雑多な番組制作に関わっている。
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