34: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/13(水) 22:10:15.85 ID:dbtwVbjq0
そこには、たくさんのスタッフが集まっていた。
中には、深紅のヒーローもいる。
光とコータは相変わらずの表情だが、麗奈は意図に気づいたようで、そっとプロデューサーの元に行き「マジで?」と小声で尋ねた。
プロデューサーも小声で「マジで」と答える。
すると、人だかりの中央から、おばあちゃんがトレーを押して現れる。
トレーの上には、大きなケーキが乗っている。
「光ちゃん、お誕生日、おめでとうねぇ」
おばあちゃんが告げると同時に、スタッフからの大きな拍手が起こる。
「えっ! ホントに!? 誕生日か!!」
光はすっかり忘れていた自分の誕生日に驚いた。
「麗奈ちゃんに教えてもらったのよ、あなたが今日、誕生日だって」
おばあちゃんが光の元に歩みながら告げると、その後ろでヒーローも言った。
「そして、おばあちゃんが我々にも教えてくれたんだ。
せっかくの機会、小さなヒーローをみんなでお祝いしようってね」
コータも光の方を向き直して、言う。
「おめでとう、光お姉ちゃん!」
麗奈とプロデューサーは少し離れたところからその様子を見ている。
光の潤んだ瞳が二人の眼と合うと、二人そろってニヤニヤしているのが見えた。
なんとも二人らしいなと思った光は、拍手の中でほほ笑んだ。
「みんな、アタシのために!? ――ありがとう、ホントにありがとう!」
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