29: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/13(水) 22:06:49.74 ID:dbtwVbjq0
その様子をほほ笑みながら見ていたおばあちゃんが
「実はねぇ、ワタシの息子――」
と言いかけ、麗奈が慌ててそれを制止する。
ヒーローも、さわやかに口元(とおぼしきマスク)に人差し指を押し当てた。
コータは、光のあまりにも嬉しそうな表情を見て、自分も心が弾むような気持になった。
「助かりました、麗奈、ご婦人。無事に合流出来て本当に良かった」
「別にアタシはたいしたことしてないわ、プロデューサー。全部、このおばあちゃんが説明してくれたのよ」
「そうだったのか。おばあちゃん、本当にありがとう!」
今度は光がおばあちゃんに手を出した。
おばあちゃんはその手を両手で握ると
「ええのよぉ。これは恩返しだから。
あのリボンのお嬢さんに返せなかった分も、しっかり受け取ってくれると嬉しいからねぇ」
と柔らく笑った。
うんうん、とうなずきながらヒーローもプロデューサーもその様子を見守っている。
そして、プロデューサーが告げる。
「さて、そろそろ時間です。光、麗奈、しっかり準備してくださいね」
「はいっ!」
「任せなさい!」
二人の元気のいい挨拶が合図であった。
ヒーローは「今日はよろしく頼む!」と爽やかに告げると、胸を張った堂々とした姿勢で戻っていく。
プロデューサーは、他のスタッフと最終確認の打ち合わせを始める。
麗奈と光は衣装とメイクをあらためてしっかりと確認し、台本と動きを一緒に振り返った。
おばあちゃんはコータを連れて、観客席に。
コータは部屋を出る直前に光に「がんばってね」と声をかけた。
光は、サムズアップで返事をした。
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