30: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/13(水) 22:07:25.22 ID:dbtwVbjq0
おばあちゃんはコータに対しても優しく話をしてくれた。
コータも今まで触れたことのないタイプの柔らかさに、心細かった気持ちがほぐれたのか、観客席につくまでに今日の顛末を一通り話してしまった。
それを聞いたおばあちゃんは、何を言うでもなく「あらまぁ、たいへんやったねぇ」と頬にしわを寄せて、優しくコータの頭を撫でてやった。
観客席に二人並んで座ると、周囲は楽しそうな子どもの声や、それに優しく応えるお父さんお母さんたちの声でにぎやかだ。
「光ちゃん、優しい子じゃったろう?」
「うん」
「麗奈ちゃんも、いい子なんだよぉ」
「うん」
「二人並んだら、さぞかしカッコいいだろうねぇ」
「うん」
「コータくんも楽しみかぇ?」
「うん!」
そして、本番が近づく。
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