11: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/13(水) 21:54:28.82 ID:dbtwVbjq0
「で、次の場所はたしかつくば駅から一駅行ったところの大きなショッピングセンターだったっけ?」
「そうです。このあたりで一番大きい――」
「――あのぅ?」
二人の会話に入ってきたのは、年配の女性であった。
そのおばあちゃんはシルバーのフレームがきれいなメガネをかけて、アーガイル・チェックの洒落たキャメルカラーのキャリーケースをひいている。
「もしかしてお二人が話してる女の子っちゅうのは……ワタシぐらいの背で、眼の綺麗な元気な子のことかねぇ」
「えっ? まさか……」
プロデューサーと麗奈は顔を見合わせた。
そして、プロデューサーが急いでスマホを取り出し、光の写真をおばあちゃんに見せる。
「あぁ、間違いねぇ。たしかに、この子ですわ」
「ご婦人、彼女がどちらに行ったか、ご存知なのですか?」
「ええ。なんだか大急ぎで筑波山行きのバスに乗りましたで。あなた方はあの子の知り合いなのかね?」
プロデューサーに代わって麗奈が答える。
「仕事仲間よ」
「そうなんですなぁ。いやぁ、実は彼女には先日お世話になりましてねぇ。
たしか、光ちゃん、言うてたねぇ。ほんに良い子で」
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