13: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:14:45.29 ID:qeoTwk+V0
駐輪所が近づく。空は茜色に染まり始めている。
「まゆ姉はこの後、プロデューサーさんに会いに行くんでしょ?」
「はい」
「あれ? じゃあ、その黒い袋は?」
「これは、まゆからプロデューサーさんへの逆プレゼントです」
「普段、お世話になっているから、こうしたら驚いて喜んでくれるかなぁって」
「いいね! サプライズってやつだ! でも、珍しいね。なんだかお土産みたいなプレゼントで」
「えっ?」まゆはきょとんとした。
「えっ?」光もきょとんとする。
「だって、和菓子でしょ? ちょっとお洒落な」
「えっ!?」まゆは驚いた。
「えっ!?」光も驚く。
まゆは恐る恐る右手に持った紙袋を持ち上げ、よく見てみる。
渋い風合いの黒い紙質で、中央に『Take Mura Ya』と和菓子ブランドのロゴが格調高く印字されている。
中身に意識を向けてみると、小包とは言えない重量感が、今更ながら実感された。
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