12: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:13:59.89 ID:qeoTwk+V0
バスが来た。
「それじゃあ、ありがとうねぇ。ほんに助かりました」
おばあちゃんは深々と頭を下げると、バスに乗り込み、窓際に座る。
まゆと光は発車するバスに向かって手を振りながら見送った。
バスの後ろは、近々開催されるサーカスの広告で全面彩られていた。
二人は、光が自転車をとめた駐輪場へと歩き出す。
「まゆ姉は仕事帰り?」
「そうですよぉ。今から事務所に帰るところです」
「あ、そっか、今日、誕生日だもんね。おめでとう!」
「うふ、ありがとう、光ちゃん」
「えへへ。そうだ、こっちこそありがとね。案内してくれて」
「どういたしまして。……光ちゃんは、自転車でよくこの辺りに来るの?」
「あんまり来ないかなぁ……。友達の家がこの近くってのは言ったけど、普段は電車で行くんだ」
「でも今日は、新しい自転車買ったから乗りたくって。思ったより時間かかったけど、楽しかったよ」
「あらまぁ。どのくらい時間かかったの?」
「四十分!」
「思ったより長い!?」
光はやんちゃな男の子が照れたような笑みをこぼした。
まゆは驚いたが、それ以上に光の元気の良さに感心した。
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