14: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:15:31.97 ID:qeoTwk+V0
「ひやゃあ!?」
今まで聞いたことのない、素っ頓狂なまゆの叫び声を聞き、光は一瞬で事態を把握した。
「さっきのおばあちゃん!」光も叫ぶ。
「荷物が!?」
「入れ替わってるー!?」
まゆは、膝から崩れ落ちる。
すぐさま心配して光が駆け寄るが、声をかけるよりも前に、まゆは自らの足で大地を踏みしめた。
目つきが変わっている。
「光ちゃん……自転車、貸してもらってもいい?」
光は無言で力強くうなずくと、すぐさま自転車を出してきて、まゆに託す。
「まゆ姉、バスの行き先、覚えてる!?」
「ええ、しっかりと」
「気をつけて」
光の送別の言葉に、まゆも力強くうなずき返し、ペダルを踏み、車輪を回転させる。
「スカート! 巻き込まないようにねー!」
既に後ろとなった光の大きな声。
大丈夫、裾が長いスカートの扱いは心得ている。
思いっきり立ちこぎしていくその姿は、普段運動を苦手としているとは思えないほどのペースで加速し、光の声は届かなくなった。
「久しぶりに! 全力で! こいじゃいますよぉ!」
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