83:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:52:52.60 ID:+EtVRVLso
向日葵「あ、あの……ちょっと久しぶりですわねっ」
櫻子『あーうん、そうだね……』
向日葵「え、えっと……楽しんでますの? 花子ちゃんと」
櫻子『うん、もうばっちり。あ、花子に替わろっか!?』
『いいしいいし、二人で話しなよ』
櫻子『ちょっと!///』
向日葵(あ……)
久しぶりに聞く櫻子の声。つい数日前まで一緒にいたのに、なんだかやっぱり懐かしく感じてしまう。
明るくて楽しげな雰囲気がうかがえる声は、私の一番好きな櫻子の声だ。
向日葵「あ、あのっ」
櫻子『ん?』
向日葵「今日は、その……何時くらいに帰ってきますの?」
櫻子『え……』
勇気を出して、一番聞きたかったことを尋ねた。視界の端で撫子さんがほほ笑む。
櫻子『ご、ごめん……何時かはまだわからないんだけど……』
向日葵「あ……そう」
櫻子『でも……待っててくれるかな』
向日葵(え……っ///)
耳に入ってくる話し声から、電話口で恥ずかしそうな表情を浮かべている櫻子が頭の中に思い描かれた。
私の不安をかき消してくれる一番の特効薬。櫻子の声。櫻子が発するメッセージ。全てがじわじわと私に染み渡っていく。
櫻子『あー……向日葵さ、この前ちなつちゃんの家行ったんでしょ?』
向日葵「えっ!? なんで知ってるんですの!?」
櫻子『え? だってちなつちゃんがLINEで教えてくれてたから』
向日葵「や、やだぁ……なんで言っちゃうんですの吉川さん……」はぁ
櫻子『えへへ、怒られちゃったんだよ……ちなつちゃんに。“彼女を不安にさせるなー!” って』
向日葵「え……」
櫻子『だから言ったの。“ちゃんと全部片付けてくるよ” って』
向日葵「!!」
櫻子の魔法の一言で、私の固まった心は解け壊れていった。
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