84:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:54:40.88 ID:+EtVRVLso
向日葵(う……うぅ……///)かあっ
楓「?」とたとた
私の話し声を聞いて、楓もキッチンにやってきた。
ついつい緩んでしまう顔をなんとかひきしめようと携帯を持ちなおしたら……どうやら誤操作で、音声発信をスピーカーモードにしてしまった。
すると突然……櫻子の思い切りのいい声が、大音量で響き渡った。
≪向日葵……私は、向日葵の彼女だよ!///≫
向日葵「あっ!?///」どきっ
撫子「あ」
楓「あっ……」
≪だから私、もう向日葵を不安にはさせない! 向日葵の心配してる顔見るの、嫌だから!≫
向日葵「あーっ! あーっ! ちょっとタイム! やだこれ、どうやって戻すんですの!?///」
撫子「くくくく……///」ふるふる
楓「わぁ……♪」
櫻子の大胆な告白がやかましく携帯から発せられる。慌てて戻そうとしたが、撫子さんの携帯なのでよく勝手がわからない。
“好き” だとか “彼女” だとかの、こっ恥ずかしい告白がじゃんじゃん漏れ聞こえてしまって、たまらずに私は通話そのものを切った。
撫子さんは両手で顔を押さえてぷるぷると笑いをこらえている。楓はなぜか目をきらきらさせていた。
向日葵(は、はぁぁ……)
撫子「……よ、よかったじゃん。なんかいい感じの内容が聞こえてきた気がするよ」
向日葵「は、恥ずかしい……死んじゃいそうですわ……///」かああっ
楓「おねえちゃんが見たことないくらい真っ赤なの……!」
撫子「でもこれで、不安はなくなったでしょ? 櫻子は帰ってきてくれるよ」ぽん
撫子さんがうずくまった私の右肩に手を置く。なぜか楓も左肩に手を置いた。
撫子「楓も聞いたよね? 櫻子なんて言ってた?」
楓「わたしは、ひまわりの彼女だよーって言ってたの♪」くすっ
向日葵「か、かえでぇ!///」
撫子「ほら、もう何にも不安なことなんてないじゃん」
二人のあたたかい手の温度が、両肩から伝わって私の心にまで届く。
いつの間にか……もう何かをこわがる感情なんて、どこにもなくなっていた。
携帯を取り出し、ささっと花子ちゃんへメッセージを送る。
撫子「そう。それでいいんだよ」
向日葵「あ……ありがとうございました……」ぺこっ
撫子「あとは時間まで、ここで私たちに櫻子との面白エピソードでも聞かせててよ」
向日葵「え……えええっ!?」
撫子「楓もいろいろ聞きたいよね?」
楓「うんっ。お姉ちゃんの “こいばな” ききたいの!」
向日葵「楓……どこでそういう言葉を覚えてくるんですの……///」はぁ
楓「学校なの!」
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