79:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:50:32.21 ID:+EtVRVLso
〜
*
花子「ほら、似合うでしょ?」くるり
撫子「ほんとだ。櫻子より可愛い」
櫻子「くぅ〜……しょうがない、約束通り花子にあげよう……」
8月7日。花子の誕生日。
今日は朝から、櫻子とデート。熱中症で倒れちゃったお詫びみたいなことになってるけど、他でもない……櫻子からの一番のプレゼントだって思ってる。
予想外だったけど、ひま姉にもついに打ち明けちゃったんだから。今日はもう、心から楽しまなくっちゃ。
櫻子「……花子、ちょっとこっち向いて?」
花子「?」
姿見の前でおめかししていた花子をしばらく眺めていた櫻子に呼ばれ、正面から向き合わされる。
何をされるのだろう……と思ったら、櫻子は髪につけていたふたつのヘアピンを、花子の髪に留めた。
花子「あ……///」
櫻子「ほら、こっちの方が可愛くない?」
撫子「いいじゃん、またちょっと違って見えるよ」
花子「そ、そうかなっ」
櫻子「このピン花子にあげるよ。大事にしてね」
花子「え……いいの!?」
櫻子「いいのいいの! もう今日は色んなものを花子にあげちゃうからね。ぜーんぶ誕生日プレゼント!」
撫子「いらないものあげてるだけなんじゃ……」
櫻子「そんなことないよー!///」
これは……櫻子が小さい頃からずっとつけていたヘアピンだ。
櫻子と同じようにして、左側のこめかみのあたりにつけられている。櫻子との心の距離が近くなれたような気がして、なんだかとっても……嬉しかった。
花子「あ、ありがとう……でも櫻子はヘアピンいいの?」
櫻子「んー、じゃあこの後買いにいこっかな? そろそろ私もイメチェンしなきゃ」
撫子「うわー……花子ついてってあげて。櫻子が変なの買わないように」
櫻子「ちょっと! 私だって可愛いの選べるってば!///」
花子「ふふっ、わかったし」
こうして朝から家族がいっぱいいてくれる家は、なんて幸せなんだろう。
この前は静かすぎて怖かったくらいなのに、お姉ちゃんたちがいるだけで、ものすごくあたたかい。
櫻子「よし……それじゃそろそろ行ってくるね、ねーちゃん」
撫子「気を付けてね。こっちは準備しておくから」
花子「行ってきまーす」
撫子「うん、行ってらっしゃい」
お気に入りの靴を履いて、櫻子に続いて外に出る。
今日も相変わらず、太陽がじりじりと大地を照らし続けていた。
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