10: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:01:57.51 ID:bIVoItty0
「はい、じゃあレッスンはここまで。次からは、それぞれの曲の出来具合からレッスン時間を割り振っていくので、お願いしますね」
「はい、おつかれさまでしたー」
レッスンが終了した。
11: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:02:28.88 ID:bIVoItty0
最初の打ち合わせから1カ月半が過ぎた。
トレーナーさんによれば、どの曲も順調に進んでいる、ということだが・・・。
「問題は『メルヘンデビュー!』か・・・」
12: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:02:59.15 ID:bIVoItty0
自分が呼ばれていることに気付き、慌てて顔を上げると・・・。
「安部さん、お疲れ様です」
「お疲れ様です!えっと、お忙しかったですか・・・?」
13: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:03:30.65 ID:bIVoItty0
タイミングよく話を切り出されたため驚いてしまったが、ひとまず会議室に移動し、席に座ってもらう。
「それで安部さん、お聞きしたいこととは・・・」
「あのっ!はぁとちゃん、ナナのこと嫌いなんでしょうか!」
14: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:04:01.00 ID:bIVoItty0
「すみません、興奮しちゃいまして・・・」
「いえ、大丈夫です。」
落ち着きを取り戻した菜々さんは、申し訳なさそうにしながら椅子に座っている。
15: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:04:31.22 ID:bIVoItty0
翌日、俺はレッスンルームに向かっていた。
「しっかり話さなきゃな・・・昨日のこともあるし」
レッスンルームに着き、コンコンとノックしてから扉を開ける。
16: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:04:59.06 ID:bIVoItty0
「さて、それじゃあ打ち合わせなんだが・・・佐藤?大丈夫か?」
会議室に着き、向き合って話をしようとするも、心は未だに俯いたままだ。
「疲れてるかもしれないが、大事な話だから・・・」
17: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:05:25.09 ID:bIVoItty0
「ライブで歌わせないことになったとかそういう話じゃないから、まずは落ち着いてくれ」
なんとか心を落ち着かせようとしながら、昨日を思い出しデジャヴを感じてしまう。
まったく、この二人は・・・。
18: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:05:53.96 ID:bIVoItty0
「『相方の歌を歌う』・・・それではぁとちゃんの問題が解決するんですか?」
「ええ、安部さんに相方と認めてもらうことで、失った自信を取り戻せると思います」
「で、でもナナはそんな大層な人間じゃ・・・」
19: ◆NVPtD76/Wg[saga]
2017/08/31(木) 23:06:25.07 ID:bIVoItty0
「・・・ナナ先輩・・・」
昨日の話を聞き、しばらく黙っていた心がポツリと言葉を零した。
「ナナ先輩ってさ、はぁとがデビューした当時から人気で、すごく輝いてたんだよね。その輝きになんとか近づきたくて、がむしゃらに後追っかけてたら、ユニットまで組ませてもらえて」
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