272: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/09/30(土) 10:26:11.95 ID:ktVirj9S0
しばらく辺りを飛び回った加蓮は、浴室で眠る自分の体に戻った。前回と同じく、なにごともなかったように、ただ時間だけが経過していた。
お湯から上がり、浴槽のふちをまたぐときに若干体がふらついた。意識が離れているあいだも肉体はずっと半身浴の状態にあったから、長くお湯に浸かりすぎたのだろう。時計を見ると開始から30分が経っていた。
じっとりと汗をかいた全身をシャワーで流し、浴室を出る。
髪を乾かし終える頃には、もう指一本も動かしたくないほど疲弊していた。
ベッドに横たわり、ぼんやりと天井を眺めながら、先ほどの体験を思い返す。
楽しかった。そしてこの現象はどうやら、条件を整えれば、自分の意志で起こせるようだ。
体は疲れていても、心はこれ以上ないくらいに晴れやかだった。
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