258:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:29:17.11 ID:1qpUpdjR0
◆◆◆
翌日、改めて代表の執務室に呼び出されると、そこには男性――高垣楓と恋仲であると噂された男が居た。
彼の傍には担当しているアイドルたちが居た。
皆、不安そうに大人たちを見守っている。
「……これ以上、混乱を広げないようにしましょう」
「ええ、ですから――」
男も男で困難があったのだろう。その迷いない瞳には、艱難辛苦を乗り越えてきた人間のものだった。
「こうなったからには、責任を取ります――」
「は」
この男は何を言っているのだろう、と。
「あなたを、必ず幸せにします」
「は?」
楓は、その言葉の真意が理解できなかった。
「恥ずかしがることはなんてないよ!」
「そうだよ、高垣さんとプロデューサーなら、みんなが祝福してくれるよ」
困惑する楓に、周囲のアイドルたちから言葉が浴びせられる。
――『ばけもの』が、そこに居た。
――『誰かに思いを寄せる高垣楓』はもう、育ちきっていた。
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