256:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:26:38.52 ID:1qpUpdjR0
「見た人が、そこに意味を求めてそうなった」
よくできました、と微笑むと、瑞樹は楓の肩をそっと叩く。
「そう。そして、意味を求めることに、悪意はないの」
今回の事件において、悪人は居る。
売名や商売のためだけに高垣楓の名前を利用した人間だ。
だけど、それだけではない。
そう、悪意なんて殆どの人は持っていなかった。
誰もが、そうあったら素敵だと言っただけだった。
アイドルにだって恋をしてもらいたい。ただ、その行く先がちょっとずれていただけなのだ。
「みんな、引っ込みがつかなくなってるだけだから」
「……私は、皆さんに愛されていると思っていいんでしょうか」
「もちろんよ」
「ありがとうございます」
「お礼は全部終わってから。楓ちゃんの好きなようにしないと」
――けれど、『ばけもの』はまだ居る。
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