242:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:09:37.94 ID:1qpUpdjR0
◆◆◆
翌日、高垣楓は同僚の川島瑞樹に、夜の出来事を語った。
「楓ちゃん、いくらなんでも不用心じゃないの?」
呆れながらも窘める友の言葉の温かさを感じ、意地が悪いと思いつつも楓は微笑む。
しょうもない子、思わず瑞樹の口から洩れた呟きは、優しい声色だったから。
「悪い人には見えませんでしたから」
「とは言っても、密室に連れ込まれて強制的に怪しい壺とか買わされることもあるのよ」
と、ひとしきり注意をした後、瑞樹はふと言った。
「それにしても、恋ね……私たちにはちょっと身構えちゃう言葉よね」
遠くに置いてきた青春。恋、と言う言葉を噛みしめる。
「アイドルですからね」
高垣楓も川島瑞樹もアイドルである。職業柄、恋愛事は御法度である。
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