193:名無しNIPPER[saga]
2017/09/19(火) 20:06:07.92 ID:k1yJYnNv0
扉を閉めると客席の喧噪はここまで届かないようで、部屋はシンと静まり返る。
それでも、備え付けのモニターテレビにはステージを俯瞰する角度で映しているので、最前列付近の様子は確認できた。
「いよいよだな。緊張してないか?」
「私……ワクワクしてます。早くステージに立ちたいです……どうかしましたか?」
「いや、ほたるの口からそんな台詞が聞けるとは。今回のライブ、かなり気合入ってるみたいだな」
「はい、今日の日のために頑張ってきましたから」
そう言っても過言ではない。ほたるのこのライブにかけるストイックさは目を見張るものがあった。
彼女のなかで、今回のライブの成功が大きな転機と考えているのだろう。
いまも伏し目がちな瞳に、確かに熱を秘めているのが見てとれる。
「白菊さん、そろそろスタンバイお願いします!」
ノックのあと、ドア越しにスタッフが声をかけてくる。
ほたるが「わかりました」と投げかけると、また慌ただしく足音だけが去って行った。
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