194:名無しNIPPER[saga]
2017/09/19(火) 20:09:04.75 ID:k1yJYnNv0
「よし、行くか。今までの頑張りを見せて、ファンの度肝を抜いてやれ」
「はい! あの、プロデューサーさんにお願いがあるんですけど……聞いてくれますか?」
「俺に? そりゃ構わないが」
「さっき私が座ってた場所に、手紙を置いておいたので……プロデューサーさんに、このライブが一番盛り上がってるときに、読んでほしいんです……ダメですか?」
「つまり一番の盛り上がりは楽屋にいなきゃならんわけか……それはちょっと惜しいが、ここまで頑張ってきたほたるのお願いだしな。約束するよ」
そう答えるとほたるは心底嬉しそうに笑って、
「ありがとうございます。約束ですよ……いってきます」
上機嫌で楽屋を出て行った。
こんなに喜んでくれるなら、この約束は破るわけにいくまい。
ちらりと部屋の隅に視線を泳がせる。なるほど、先程までほたるの座っていた椅子にちょこんと封筒が乗っている。
今すぐ読みたい気持ちを抑えつつ、俺も舞台袖に向かうため部屋を後にした。
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