北の果てで
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52:名無しNIPPER[saga]
2017/10/22(日) 23:04:07.80 ID:SGGQmyHZ0
「っ〜〜…眠たくなってきたな。この部屋でいいか」

適当に側にあった部屋に入ることにする。スイッチを入れて電気をつけると二段ベッドが二つ、奥には机が机があり挟むようにロッカーが二つ、向かいに二つの計四つある。が、金具は錆びまともに開けられそうにもなかった。

「時雨はどこに寝るんだ?」

「僕は提督と一緒のベッドが良いな。この部屋寒いからかけ毛布だけじゃ足りないよ」

「確かに寒いが他のベッドから毛布をとってこれば良いじゃないか。別に俺と一緒に寝なくても…」

時雨が目をじっと見つめる。まるで誰が譲るもんかと抗議をするかのようだ。

「わかったわかった。これ以上言っても無駄みたいだしな」

「えへへ♪」

上着を脱いでベッドの端にかけておく。時雨は嬉々として毛布をとって来ると、同じ毛布の中へ入り込んでくる。モゾモゾと動かれてかなり気になる。しかし、時雨の体温が高いのか引っ付かれるだけでかなり暖かい。

「なぁ時雨」

「ん?どうしたの提督」

「まだあって一時間も経ったかどうか怪しいが、何で俺にそんなに引っ付いてくるんだ?普通は距離を開けて様子を見ると思うんだが」

「うーん、何でって言われても…初めてあったのが提督だったから、かな?」

「なるほど、生まれたてのひなが初めてみた鳥を親鳥と思い込むのと同じ原理か」

「僕は生まれたてのひなだと言いたいのかい?」

「間違ってるか?」

「ぐぬぬ…」

段々と力強く抱きついてきて少し暑い。こんな寒い部屋の中でまさか暑いと思うとは思わなかった。

「悪かった悪かった、抱きすぎで暑い」

「ダメ、朝までこうする」

「はいはい、おやすみ」

頭を撫でてやると目を瞑って顔を擦り付けてくる。
こう見ていると、犬を思い出す。


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