北の果てで
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20:名無しNIPPER[saga]
2017/09/03(日) 23:09:07.12 ID:m7DDZgrW0
残っている資材を確認し終えると、執務室に戻るために外に出る。相変わらずの視界の悪さに凍りそうになるほどの寒さ、慣れるまで長い時間がかかりそうだ。

「そういえば、司令官はどこから左遷されたんだい?」

「だから左遷て…私は舞鶴で大将の補佐をしていたんだ。好感度を上げるために、結構努力したはずなんだがなぁ〜」

Верныйがクスクスと笑っている。吹雪の中でもその笑顔はかき消されること無く、ハッキリと浮かび上がっている。

「こんな辺境の地に飛ばされて君も不幸だったね。2人だけでこの吹雪の中、暮らすのは辛いものがあるんじゃないかな?」

「そうだなぁ、とにかく執務室で中央に連絡を取らないことには始まらない。必要最低限の食糧と資材を輸送してもらわないと冗談抜きで私が死ぬ」

「死なれたら死体の処理をしないとだから、死なないでほしい」

「怖い事を言わないでくれ…君がいうと何故か冗談に聞こえないんだ」

「ふふっ♪」

Верныйの笑顔は可愛らしいが、目が笑っていない。その目の奥はまるで氷のように冷たい。


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