31:名無しNIPPER[saga]
2017/09/01(金) 01:26:07.21 ID:YoTKRd/f0
理樹(我に帰った時にはまた東京にいた。何も用意せず、ポケットには財布だけ。ここまでほぼ無意識のうちに行動するなんて普通ならあり得ないが、僕はそれほどまでに、ただ彼女に会いたかった。とても彼女を愛しているんだ)
理樹(うろ覚えの記憶を必死に辿り、来ヶ谷さんの家に向かった。もしかしたら行ったところで彼女の事だしもう引っ越していたりするかもしれない。そこに住んでいたとしてまだ帰ってないかもしれない。でも、頭の中には行く以外、選択肢はなかった)
理樹(バスで周辺に着き、タクシーで地図を塗りつぶすように回り、遂に見覚えのある場所を見つけた。そしてとうとう来ヶ谷さんに案内された家の前に着いた。表札には確かに来ヶ谷の文字があった。ドアの前に立った。ここまでフリスビーを追いかける犬のように来た僕もチャイムを押すのには少し躊躇した。そして勇気を振り絞り手を上げたその時、向こうからドアが開いた)
来ヶ谷「…………」
理樹「あ………」
来ヶ谷「………来たか、理樹君」
理樹(来ヶ谷さんはニコリと笑った。会いたいとは思ったが、会ってから彼女になんと言うかは考えていなかった。しかし結局考えていたところで何も言えなかっただろう。その腕に抱えられた赤ん坊を見てしまっていたなら)
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