12:名無しNIPPER[saga]
2017/08/23(水) 23:28:37.53 ID:f5UuN0bG0
・・・
理樹(家を出ると雨が降っていた)
恭介「レンタルサイクルでもと思ったがこりゃバスの方がいいな」
理樹「そうだね」
理樹(そのコンサートホールまでは片道30分だった。東京は昨日と変わらず人がこれでもかと言うほど歩いていて、みんな雨から身を守るため険しい顔つきだった。いつかは思い出せないが、来ヶ谷さんは雨はつまらないと言っていた気がする)
運転手『〇〇前、〇〇前です……』
恭介「ここだな」
理樹(そのホールはとても大きなものだった。来ヶ谷さんは既にもうここに着いて準備しているんだろう。そう考えると心臓の鼓動が徐々に早くなった)
・・・
理樹(恭介が買ったチケットはそれほど前ではなく、かと言って演奏者の顔が見えないほど遠い席でもなかった。きっとまだ完全に心の準備が出来ていない僕に対する配慮だろう。恭介に限ってこういうことは偶然ではないんだ)
恭介「なんだか不思議だな。今集まってる奴は全員来ヶ谷のために集まってるんだぜ」
理樹「そうだね……」
理樹(しばらくしてからホールが少し暗くなり、雑談をしている声が止んだ。そして若い男の司会が現れ、集まった僕らに感謝をするとまず来ヶ谷さんのこれまでの経歴を並べていった。こういう事には詳しくないがやはり二十歳にすらなっていない人がこういう場に出るのは珍しいのだろうか?来ヶ谷さんにまつわるだいたいの事を言い終わると、その人は満を持して来ヶ谷唯子の名を呼んだ)
恭介「来るぞ理樹」
理樹「……」
理樹(その人は万雷の拍手で迎えられながら姿を現した)
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