1: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 15:57:17.87 ID:8yyPI5jBo
父「そうだ。世界にはそう呼ばれているソーセージが存在する」
娘「それは所謂お父さんのーっていう下ネタ?」
父「可愛らしい女の子がそんなこと言っちゃいけません」
娘「その伝説のソーセージがどうしたの」
父「お母さんがそのソーセージを食べたいと言ってるんだ」
娘「もう一度聞くけど私にセクハラしてるわけじゃないんだよね」
父「とにかくそういうことだから、私は今日から旅に出る。すまないがお店のことはまかせる」
娘「お母さん病気で寝込んでるのに、これ以上人手が減るなんて」
父「大丈夫、知っての通りこの宿屋に泊まる旅人も殆どいない」
娘「だから私が雑貨屋でアルバイトしてるんじゃない」
父「では行ってくる。留守とお母さんを頼んたぞ」
娘「いや、アルバイトに行かないと生活費が・・・って行っちゃった」
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2: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:00:26.28 ID:8yyPI5jBo
男「こんにちはー。あれ、めずらしいね。娘ちゃんが店番してるなんて」
娘「男ちゃん、聞いてよ。お父さん店番を私に押し付けて、旅に出ちゃった」
男「雑貨屋のバイトどうするの?」
3: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:01:37.67 ID:8yyPI5jBo
男「一週間も泊まるお客さん?すごいね」
娘「でも一部屋だけだし儲かるとは言えないかな」
男「どんな人?女の人だったよね」
4: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:03:33.39 ID:8yyPI5jBo
旅人「実は私、これを求めて旅をしておりました。伝説のソーセージというものです」
娘「あ、それ」
男「おじさんが探しに行ったやつだよね」
5: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:04:35.36 ID:8yyPI5jBo
旅人「私はグルメハンターなので、世界中の美味しいものを食べて旅をしているのですよ」
娘「そういう旅の仕方もあるんですね」
旅人「中でもこの伝説のソーセージは伝説級の伝説!まさに幻の珍味。今から腕によりをかけて調理するので、どうか手伝ってほしいのです」
6: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:06:06.21 ID:8yyPI5jBo
旅人「できた!やはりソーセージはボイルに限る」
娘「私達手伝う必要ありましたか?」
旅人「私の汗を拭く係と私を励ます係は重要です。しかもこんなに可愛い女の子達に囲まれて調理をするなんてなかなかありませんよ」
7: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:12:12.89 ID:8yyPI5jBo
娘「男ちゃんありがとう。旅人さんが男ちゃんのを見てる間に、普通のソーセージとうまくすり替えられたよ」
男「なんだか変な気分だったよ。旅人さん、息遣い荒くて少し怖かった」
旅人「それでは、一人分しか無いため、私がソーセージをいただきます。少女と、えー、少女のような少年?いや、まだ少年と決まったわけではない、が!この、伝説のソーセージを、食べる私を見届けてくれて二人ともありがとう」
8: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:12:49.60 ID:8yyPI5jBo
男「ともあれ、伝説のソーセージを食べたことで、旅人さんの新たな旅が、また始まるわけですね」
旅人「そうですね。次は魔界の唐辛子という食材を、探しに行こうと思っています」
娘「応援しています」
9: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:14:35.74 ID:8yyPI5jBo
娘「さあ、旅人さんも行ったし、この伝説のソーセージをお母さんに食べさせてあげよう」
男「そうだね」
娘「お母さん起きてる?」
10: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:15:42.81 ID:8yyPI5jBo
母「うん、この香り。間違いないね、伝説のソーセージのゆで汁だね。では頂くとしよう」
娘「ど、どう?おいしい?」
男「どきどき」
11: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:17:06.42 ID:8yyPI5jBo
母「ところであのくそ野郎はどこいった。あいつにも伝説のソーセージ持ってくるように言っといたんだが」
娘「お父さんは伝説のソーセージを求めて旅に出たよ」
男「今朝がたの話です」
12: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:17:58.30 ID:8yyPI5jBo
娘「あれならもう家畜の肥料の材料として、使っちゃいまいたけど」
旅人「おおぅおおおう、なんと、なんと贅沢で勿体ないことを」
男「うそですよ旅人さん、ちゃんと残してありますよ」
13: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:19:25.39 ID:8yyPI5jBo
母「それはお前らが勝手にそう呼んでるだけだろうに。とにかくおいで、まだゆで汁を飲んでいないんだろう。貴重な体験だ。飲ませてやる」
旅人「やったあ。伝説のグルメハンターが直々に料理をふるまってくれる」
娘「期待しないほうがいいですよー」
14: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:20:19.05 ID:8yyPI5jBo
父「えーっと、なんかお母さん元気良すぎない?」
娘「あれ飲むと体内が若返るらしいよ」
父「へえ・・・ん?ちょっと旅のお嬢さん、どこかでお会いしませんでしたか?」
15: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:22:19.41 ID:8yyPI5jBo
母「ほら、肉野菜炒めと卵スープ持っていきな。手前のテーブルにはエールを3杯に一角豚の丸焼きだよ。持っていったら今度は、夕食の七色鶏のカレーの仕込みを始めな」
旅人「了解ですお師匠」
母「お前にゃ狩りのほかにも、料理やらなんやら、教えることがたくさんある。ついてこれないならクビにするよ」
16: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:23:55.14 ID:8yyPI5jBo
娘「でもおかげでお客さんが、こんなにたくさん」
男「伝説のグルメハンターがいる宿屋なんて聞いたら、こんな田舎でも人は来るよね」
娘「当り前よ、お母さんの料理は世界一美味しいからね」
17: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:24:45.32 ID:8yyPI5jBo
雑貨屋の奥さん「人は自然体が一番いいんじゃないかね」
男「それは」
雑貨屋の奥さん「鬼神の胃袋は、そりゃあ自分に素直さ。だから自分のやりたいことやって、好きなもん食べて、気が付きゃ今じゃ伝説のグルメハンターさね」
18: ◆VcYmVurqQM[saga]
2017/08/20(日) 16:25:46.48 ID:8yyPI5jBo
娘「なんかすごくお説教された気がする」
男「ふふっ。・・ねえ娘ちゃん」
娘「なに」
19:名無しNIPPER[sage]
2017/08/20(日) 16:35:28.45 ID:TlLQuemd0
乙乙
短いのに濃くて面白かった
20:名無しNIPPER[sage]
2017/08/20(日) 16:41:54.81 ID:eOc4IywQo
発想がぶっとんでる
面白かった
乙!
21:名無しNIPPER[sage]
2017/08/20(日) 21:14:50.84 ID:VfaceW8ao
例の勇者かと思った
おつ
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