「藤原肇がそれを割る日」
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69:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 23:26:29.10 ID:pXJ6Ifkk0
 私の方から、手を動かす音すら聞こえなくなったのを感じ取ったのでしょう。

 やがて夕美さんの手も、止まりました。


「肇ちゃん」

 夕美さんの、こんなに小さい声は、初めて聞きます。

「ごめんね、変な気を回しちゃって……緊張、してるんだろうなって、思ったからさ」


「えぇ、そうですね」

 私は、努めて冷静に、言葉を選んで、彼女に答えます。

「何せ、私達の今後のアイドル人生を占うフェスです。しっかり研鑽を積んで…」

「ウソ」

「……え」


「肇ちゃんが、そんなに気負っているの、フェスのせいじゃないでしょ?」



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