「藤原肇がそれを割る日」
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64:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 23:05:21.80 ID:pXJ6Ifkk0
「仕事やレッスンを入れないでほしいだって?」

 事務室で、Pさんがビックリして私を見ました。


 約三ヶ月後、GWには、各事務所を代表するアイドル達による一大フェスを控えています。

 その善し悪しが、その後のアイドルの人気を左右すると言われるほど、正念場となるフェスです。

 光栄にも、私と夕美さんも、そのフェスに参加させていただくことが決まっていました。


「4月のこの日と、その前日の二日間だけです。それ以外なら、私も夕美さんも、ちゃんと頑張れます」

「あぁ、何だビックリした。ずーっとかと思ったぞ。まだ先の話だから、たぶん調整は可能だけど……あっ」


 Pさんが、頭をポリポリと掻いた後、私に向けて手刀を切りました。

「悪い。その前日の方だが、午前中だけグラビアの仕事が入ってるんだ。前々からずっと頼まれててさ」

「あぁ……大丈夫ですよ。それくらいは平気です」

 午前中の撮影なら、それほど時間はかからないだろうと、これまでの経験で分かります。

 昼過ぎの新幹線に乗れば、夕方か夜には、岡山に着くはずです。



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