「藤原肇がそれを割る日」
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24:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 20:12:40.47 ID:pXJ6Ifkk0
 ここまでされたからには、私も何かお返しをしなくては気がすみません。

「夕美さんの誕生日、教えてください。今度は、私が自慢の作品をプレゼントする番です」
「あー、んーとね。私の誕生日もう過ぎちゃった」

「えっ!?」

 バツが悪そうに、夕美さんは右の頬を指で掻きます。

「ちょうど2ヶ月前だね、4月15日。新年度が始まるとすぐ来ちゃうんだ」
「そ、そんなぁ……!」

 ガックリと、その場に崩れ落ちます。
 いえ、ならば来年。来年に――!

「いやいや、いいって。4月って皆忙しいでしょ? そういうの慣れてるから、大丈夫だよ」
「そういう問題じゃありません! 絶対に、ちゃんと、お返しをします!」

「じゃあ、今度もし夏休みとかがあったら、肇ちゃんの実家に遊びに行っても良い?
 ほら、陶芸教室」


「……おぉっ」

 なるほど――そうでした。なにも誕生日にこだわる必要は無いですね。

「意外と肇ちゃんって、思い込んだらこう、クッて、視野がアレしちゃうカンジだねー」



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