「藤原肇がそれを割る日」
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23:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 20:09:35.91 ID:pXJ6Ifkk0
「……えっ!?」
「Pさんからこっそり聞いたんだ、肇ちゃんの誕生日」

 夕美さんは、さっきまで自分で作っていた生け花を、そのまま私に差し出しました。

「タイトルはずばり『肇ちゃん』。
 肇ちゃんのしっかり屋さんで真っ直ぐな感じを、青いキキョウの花で表現してみました。
 ちなみに花言葉は、“誠実”とか“清楚”とか、“永遠の愛”なんて。えへへっ」


 この6月15日に、わざわざ夕美さんが私を家に呼んだのは、このためだったのだと気づきました。

 手伝わせると言いながら、一緒に楽しみを分かち合い、思いの込めた生け花を私に送るために。


「あ、あの……キキョウは、たぶん凛さんのイメージかと…」
「えっ!? そ、そっかごめん! ていうか誕生日だもんね、もっと色んな花を使って豪華な感じの方が…!」
「いえっ! そうじゃなくて、その……!」

「私が、こんな素敵なものを……本当に、受け取って良いのでしょうか?」
「あはは、当たり前じゃない! 肇ちゃんにしかあげられないよっ」
「私にしか……」


 そっと手に持ってみます。

 すごい――夕美さんが表現してくれた私が、心にストンと落ちてくるようです。


「ありがとうございます……こんなに素敵なプレゼントは、初めてです」
「大袈裟だよぉ。えへへっ♪」



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