女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/08/25(金) 18:50:23.98 ID:as1CpHWZ0
『ずっと考え続けてるわけだ。これ以上の正解はないって知っているのに。なのに苦しんでるわけだ。意味もなく、救われなかったもののことを考え続ける』
怒りの混じった声。
「そうだ。僕はそういう生き方をしている。考えれば考えるほど八方ふさがりなのがわかって。それでも考えることはやめられないんだ」
そういうものだった。彼女と話すことによって変容した僕の思想は、そういうふうになっている。
不変の意思。くだらない理想論。無意味でもったいぶっていて、本人ですら価値を認めてはやれない。
それでも、それでもこれは、間違った考えじゃない。
『なんでなんだ?』
「正しいことだと、信じているからだよ」
『苦しいだけなのに? なのに他人のことなんかを考えてるのかよ』
ふざけるな! と声が叫んだ。
『それで祐樹さんになんの得があるんだ? なんで身を削ってるんだよ! なんで祐樹さんが苦しい思いをしなきゃいけないんだよ! 犠牲になる必要なんてないじゃないか!』
苦しむようにのたうつ影。
『なんでそんなに優しいんだ? なんでそこまで他人のことを考えるんだ? 義務なんてないのに、なのになんでそこまでするんだよ!』
――優しい、ね。それは意味がない。
「でも僕は結局、誰も救えちゃいないんだよ。偽善行為の自己満足だ。結果が出せていないんだよ。だから、誰かが僕を庇う必要はないんだよ」
『それは違うよ』と誰かが言った。
影の形が再び変わる。女の影。
『少なくともキミは、私を救ってくれた』
救った? 救われた? そうか、それは正しいのかもしれない。
でも、
「でもきみは犠牲になるんだよ。死ぬんだ。ひょっとしたら魂が消耗される痛みに、何十年も苦しむことになるかもしれない。きみは救われちゃいない」
『そんなこと……』
「そういうことなんだよ。結果的に僕は何もできていない。結果が全てなんだ。努力? 努力すればきみが苦しんでもいいのかよ!」
やるせなさがこみ上げる。完璧な人になりたかった。目指すんじゃない、完璧そのものになってきみを救いたかった。犠牲なんてシステムがなくても、都市の人々は生きていけるような、そういう創造をしたかった。
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