女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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名無しNIPPER
2017/08/25(金) 18:49:53.39 ID:as1CpHWZ0
◇
「完璧な人になりたかったんです」と僕は言う。
なにもかもが実現させたい、そういうバカげた願い。
超人、英雄、完璧者。そういった単語が脳裏に浮かぶ。
「完璧な人になりたかったんです」と僕は言う。
『どうして?』
闇より沈む、深淵から、そんな言葉が返ってくる。
どうして? なぜかって? なぜだっけ?
『完璧な人になってなにがしたいんだい?』
願いがあったから、望んだ。
僕は、誰かが不幸なのが嫌だった。できることなら生きとし生けるもの全てが幸福であることを望んだ。
誰だって、一度は考えたことがあるはずだ。
誰だって、他人の幸福をうれしく思うことだってあるはずだ。
妬みや羨望、そういったものを除いた、純粋に人の喜びを感じたときに感じる幸福感。それをずっと見つめていた。
だからだろうか。できることなら全てを救ってしまいたかったのだ。
踏み殺されたアリを瞬時に治し、飛べなくなった鳥に力を与えて飛べるようにし、泣いている子供に手品を見せる。
「完璧な人になりたかったんです」と僕は言う。
『なれると思っていた?』
まさか。そんなはずはない。
とてもとても、現実的じゃない。夢見がちな幼少期はとっくに卒業した。大人に近づいて行った。最善を選んだ。
全ての生命から人間へ。人間から周りに見える世界全てへ。周囲に見える世界全てからほんの一握りの大切な人へ。
年を取るにつれて、少しずつ現実的に調節していった。持っていけないものは置いて行った。今でも、全てが救われてしまえばいいのに、と思うことがある。だが実際、僕ができるのは、ほんの一握りの大事な人を大切にすることだけだ。それに納得している。
「完璧な人になることを、目指そうとしたんです」と僕は言う。
目指すということ。努力するということ。
それは、決して無駄なものではない。優しくあろうとするから、より人は優しくなれる。意識することによって、人は変わる。意味があるのだ。
『だから祐樹さんはそういう生き方をするわけだ』
声が変わる。それはより身近な者へ。
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