女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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44:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:46:44.05 ID:zemz0oy80
「私はね、自分が正しいって思ってた」

 善意の押し付けは独善行為だ。それはとっくに彼女と話し合ったことで、そういうことはしないと互いに決めていた。

「私は失敗したんだよ」
以下略 AAS



45:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:47:15.69 ID:zemz0oy80
ああだめだ。これでは彼女には届かない。


46:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:48:00.33 ID:zemz0oy80
 直感的な感覚は僕の口を縫い付けた。
 なにもできなかった。何も言えなかった。
 彼女が泣いている。泣いているのだ。
 何とかしてやりたいと思う。
 ……でも。
以下略 AAS



47:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:48:29.53 ID:zemz0oy80
 彼女はいつだって清廉潔白で、誰もが救われるべきだと、信じていて。
 絶対に正しい、されど現実に通用しない理想論。

「妥協しなきゃいけないんだよ。誰かのために動いて自分が破滅したら意味がない」
「そんなこと、ない!」
以下略 AAS



48:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:49:02.33 ID:zemz0oy80
「それでも」と僕は言った。

「僕らがするべきことは現実の範囲で、できる限り正しいことをすることなんだよ。それだって十分に尊い」
「そうだけど」

以下略 AAS



49:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:49:49.81 ID:zemz0oy80
 彼女はぽかん、としていた。気圧されたような、そんな表情。

「……ありがとう?」
「どういたしまして」
「……混乱してきた」
以下略 AAS



50:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:50:26.76 ID:zemz0oy80
「……」
「……」

 沈黙。



51:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:51:06.91 ID:zemz0oy80
「なんでもないよ?」
「なんでもないね」

 時間が再び流れ始めたような感覚。
 二人並んで歩く。家路につく道へ。
以下略 AAS



52:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:52:26.08 ID:zemz0oy80
「さっきのは内緒だよ?」

 彼女の言葉に僕は頷く。はっきり言って混乱していた。

 ――ふと、彼女の横顔を見る。
以下略 AAS



53:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 20:53:27.71 ID:zemz0oy80
続く


54:名無しNIPPER[sage]
2017/08/16(水) 22:03:04.16 ID:hncwhN/H0



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