1:名無しNIPPER[saga]
2017/08/12(土) 15:58:19.16 ID:SbPZHvx8o
山城「ああ、不幸だわ」
この言葉を呟くのはもう何度目のことだろうか。
もう数えられないほど、この一月で呟いている。
原因は分かっている。
扶桑姉様と提督が付き合い始めたことだ。
これが原因でまるで心にぽっかりと穴が開いてしまったかのように感じる。
いずれはこうなるであろうと覚悟はしていたはずなのに。
それでもこうまで、耐えきれないものなのだろうか。
山城「......ふふ」
いや、本当は分かっている。
なぜ自分がこうも耐えられないのか。
なぜこんなに、心に開いた穴の大きさが大きいのか。
なぜ心に開いた穴の大きさが、二人分なのか。
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/08/12(土) 15:59:01.54 ID:SbPZHvx8o
その気持ちに気がついたのは一月前、扶桑姉様から話を聞いたときのこと。
あのときの扶桑姉様はとても幸せで、見ていた私までが幸せな気分になっていた。
だが、そんな幸せのなか、心のどこかで怯えていた。
どうしてこんなにも幸せそうなのか、と。
3:名無しNIPPER[saga]
2017/08/12(土) 15:59:34.99 ID:SbPZHvx8o
いつかはこの時が来ると分かっていたはずだった。
扶桑姉様が、誰かと付き合うことなど。
ましてや扶桑姉様が提督のことを好いていることは分かっていたし、提督と付き合うかもしれないと何度も考えてきたことだった。
そのときが来たら、わがままを言いつつも笑って扶桑姉様を祝福しようと準備してきたはずだった。
4:名無しNIPPER[saga]
2017/08/12(土) 16:00:12.27 ID:SbPZHvx8o
扶桑姉様と、提督。
二人が幸せになることが許せなかった。
二人の最愛の人を失うのが怖かった。
その両方を奪う二人が許せなかった。
5:名無しNIPPER[saga]
2017/08/12(土) 16:01:06.64 ID:SbPZHvx8o
でももう、耐えられないのだ。
扶桑姉様と提督が幸せそうに笑う姿を見るのは。
二人の幸せな話を聞くのは。
そして、そんな二人を恨んでしまう自分に、耐えられないのだ。
好きな人を恨むのがこんなにも辛いものだとは思わなかった。
6:名無しNIPPER[saga]
2017/08/12(土) 16:01:46.77 ID:SbPZHvx8o
だから、まだ平気。
今は、まだ。
「......しろ?山城?」
7:名無しNIPPER[saga]
2017/08/12(土) 16:02:18.15 ID:SbPZHvx8o
まだ、平気なはず。
だってほら。
山城「......不幸......だわ」
8:名無しNIPPER[saga]
2017/08/12(土) 16:03:04.45 ID:SbPZHvx8o
提督「山城?」
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