45:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 13:23:23.12 ID:5FDHqpH0O
翌々日の日没後、私は夕食を食べ終えると、一人で桟橋に座って釣りをしながら夜の宇和の海を眺めていた。
「にゃあ」
「わっ、あ、明石中佐の猫か……」
急に猫に呼びかけられ私は驚いて振り向くと、そこには明石中佐のロシアンブルーが早く釣れとでも言うように待っていた。
「少佐も釣りをするんですかい」
聞き覚えのあるハスキィボイスが頭上でした。見上げると、釣具を持った明石中佐がいた。
「ああ、こういうとこで出来る数少ない趣味だからな」
「そうですね。ここは人と言う人は軍属の者しかいないですし、娯楽も何もない島ですから」
そう、この島は軍の司令部が出来るまでは無人島であった。かなり昔に五十人くらい住んでいたらしいが、五十五年ほど前に最後の民間人が島を離れてからは長らく無人島となったのである。
「おっ、おっ、きたきた」
私は釣竿をひょいと上げる。ちっちゃな鯛みたいなのが釣れた。チビ鯛から針を抜くと、とたんに猫がジャンプして私の獲物を取り上げた。そしてバリバリ食べ始めた。
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