183:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 22:48:30.54 ID:hojLDG6p0
「ああ、北上も先輩が五月雨で本当に良かったと思うよ。今日、こうやって北上が勝てたのも五月雨のお陰だしな」
「そう言われると照れくさいです……。私、これからも北上さんとは艦娘ではセンパイとして、人生ではコウハイとしてお互いに成長していければいいなって思います」
「ははは、北上はまだまだ幼いところがいっぱいあるから、五月雨のほうがお姉さんだぞ」
「そんなことないですよ。人当たりのよさとか、フランクさとか、心の余裕さとかを見ると北上さんは私よりもだんぜん大人ですよ!」
たしかに妹は誰に対しても平等に接するとこがある。それは、八方美人ともいえるし、お人好しとも言える。
「そうだな。私自身も北上のそう言う所にはかなわないしな」
私はそう言って抹茶ソフトのコーンをかじった。
ちょうど、スマホにラインが入る。妹からで、あと十分したら谷風と一緒にこっちに来られるとの事であった。
「……にしても、さっきの涼風は北上に何を話しかけていたのかなぁ……」
私は残りのコーンをかじりながら、思わずため息と一緒に漏らしてしまった。
隣の五月雨もその言葉に同調するように小さくため息を吐く。
「私には分かりません……。それと、試合中にずっと北上さんから離れなかったのも気になります。あの子の腕なら、もっといい戦いができたはずなのに……」
やはり、あの涼風は轟沈した五月雨少佐の妹なのだろうか。
妹が五神島泊地の所属と知って、試合中に色々と尋ねようとしていたのかもしれない。
いや、それしか考えられなかった。これは妹にあとで、さっきの試験での会話のことを聞くしかないだろう。
それから少しして、私は自分と五月雨のコーンの紙を捨てがてら、屋台に妹と谷風のぶんのソフトクリームを買いに行った。
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