157:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 20:14:28.95 ID:hojLDG6p0
「で、でも谷風ちゃんは嫌なんだよね……やめるって方法もあるのに、どうしてやめないのって……あっ、やめてっ!」
妹のその言葉に谷風はぷつりと切れた。気付いたときには、妹の胸ぐらを掴んで持ち上げていた。
「おい、落ち着け、やめろ谷風!」
私が止めようとしても、谷風は離さなかった。
「ふん、やっぱり二浪するだけ甘ったれてるね、北上ちゃんは。二年間なんもしなくても生きていけるのを当たり前に思って生活してたでしょ?
でも貧しいとそんな事するなんて許されないんだよ。働くか盗むかしなきゃ生きていけない。
だけど、艦娘になれば凄くいい給料で働けるし、艦娘として働けなくなってもその後の就職はいいとこ行ける。
大手とか公務員とか海保や自衛隊の幹部とか……。
まさに人生大逆転できるんだよ。
そっから逃げる? ふざけてんの?」
谷風はそう言い切ると、持ち上げていた胸ぐらを投げるように離した。
妹が泣いて倒れる。私は妹の傍に寄った。
「これはさ、あたしゃにとって、神様がくれた人生大逆転の切符って思っているんだよ。
私がその一万人の一人に選ばれたのはさ、神様があたしを見込んでいるからさ。
それを無駄にしたくない。だからここで弱音を吐いてられんのだよ」
「谷風……」
彼女の言っている事は正論であった。だから私も何も言えなかった。
214Res/213.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20