ある門番たちの日常のようです
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453: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/22(日) 23:25:21.49 ID:N6bKefKp0
( ФωФ)「仰るとおり、“以前より数を増やした”以外の変化を見せず結局青ヶ島やベルリンと同じ轍を踏んで壊滅した空襲部隊の愚かさも、“奴等が主戦力ではない”と考えると納得できます。

学習能力が無いか単純な練度が低いか、奴等にとってどれだけ失おうとも痛くも痒くもない戦力がそれなりに人類にとって重要な拠点に派遣された、これがおそらく今回の真相です」

彡(゚)(゚)「では、その“威力偵察”で奴等が見たかったものとはなんや?」

( ФωФ)「寄生体という新たな個体種を試したかったのもあるでしょうが……最大の目的は人類側の“対応力”の限界を見極めることではないかと」

ヨーロッパにおいて広大な橋頭堡の建設を許し、人類の勢力は大きく減退している。この状況で連続的にムルマンスクを失陥すれば我が輩たちが窮地に陥ることは、深海棲艦側もよほどのバカでなければしっかりと理解していたはずだ。

だから奴等は、仮に我が輩たちが“偵察”と事前に見破っていたとしても相応の戦力を投入して迎撃せざるを得ない規模の艦隊を差し向けてきた。一応許す範囲で出し惜しみはしたが、それでもこちらの“限界”を向こうがある程度推測するには十分だろう。

彡(゚)(゚)「向こうが此方の限界を悟り本格的な大攻勢に転じてきたとして、何年耐えられる?」

( ФωФ)「“海軍”、日本、東欧連合軍、アメリカ、インド、ロシア………これらを主力に持ち堪えて五年。希望的観測で中国とイギリスも勘定に入れて七年といったところです」

我が輩もまた、喉を潤すため湯飲みに口をつけ傾ける。冷め切ったほうじ茶の渋みが、舌の上に広がった。

( ФωФ)「なお、これは深海棲艦側が“現状維持”の戦力でこのまま戦争を続けた場合と仮定しての試算です。向こうの進歩速度が我が輩たちのそれを上回れば、人類滅亡のタイムリミットは無制限で切り上がっていくのであります」


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