ある門番たちの日常のようです
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294: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/21(木) 23:05:19.67 ID:M1x5lU2S0
艤装内の装置が起動し、周囲に船体殻が展開する。まともに命中すれば青葉の左半身ぐらいは吹き飛ばしていたであろう砲弾は、不可視の防壁の上を滑り逸れていく。

軌道が変わった砲弾は後ろでイ級の残骸に直撃し、弾薬に誘爆したのか巨大な火柱が上がった。

更に二発、三発、四発と砲弾が向かってくる。回避進路も同時に塞ぎながらの見事な射撃だが、青葉の飛び抜けた動体視力はこの内直撃コースにある砲弾が高角砲クラスの小口径弾であることを見抜く。

「せや!!!」

一歩も動かず、右腕を横に振る。信管が作動しなかった砲弾は弾かれてくるくると回転しながらあらぬ方向へ飛んでいき、20m程向こう側で改めて破裂した。

「───もうっ!」

息継ぐ間もない。両側で主砲弾二発が轟音を奏でるのと同時に、姿勢を可能な限り前傾にして駆け出す。

五発目、六発目の砲弾が低い弾道で相次いで頭上を通過。六発目の砲弾は船体殻の上部スレスレを削り、微かに火花を散らした。

「っ」

ほんの3Mほど背後から、熱と突風が爆発音に併せて吹き付けてくる。青葉はその場で跳び、あえて風に身を任せて宙に身を躍らせた。

「くぅっ………?!」

後押しされた身体はしかし、先程倒したばかりのホ級flagshipの屍に衝突して直ぐに止まる。肉体部分に当たるよう姿勢は制御したが、それでも衝撃に一瞬息が詰まる。

「うぇ………」

あと、ぶよぶよした腐敗臭が凄まじい肉塊に正面から飛び込んでいった結果肉片や体液を全身に浴び、腐った魚をすり潰した汁を頭から被ったような気持ちを味わう羽目になった。

二度とやるものかと、青葉は固く心に誓う。


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